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弁護士法人心 海浜幕張法律事務所

弁護士に依頼すると後遺障害慰謝料が増額する理由

  • 文責:所長 弁護士 羽藤英彰
  • 最終更新日:2025年1月7日

1 交通事故の後遺障害とは

交通事故に遭うと「後遺障害認定」を受けられる可能性があります。

後遺障害認定とは、交通事故で残った後遺症について、正式に自賠責保険が「後遺障害」と認めて14段階の「等級」に分類することです。

交通事故で怪我を負うと、治療をしても完治しないケースは多々あります。そのような場合、被害者には通常のケースより多額の補償が必要です。

ただ、後遺症の内容や程度は様々であり、同程度の人には同程度の補償が行われないと不公平です。

そこで自賠責は「後遺障害の認定基準」を作り、基本的にそれに当てはめる方法によって後遺障害を認定します。

同じ程度の人は同じ「等級」に認定し、補償金額を揃えて公平な補償が行われるようにはかっています。

後遺障害の等級には1級から14級まであり、1級がもっとも高い(重症)等級で、14級がもっとも低い(軽症)の等級となっています。

2 交通事故の後遺障害の種類

交通事故の後遺障害にはどのようなものがあり、どの程度の等級が認定されるのか、いくつか例を挙げます。

1級…高次脳機能障害や脳障害で全面的な介護を要する状態となったケース、両腕を失ったり両眼が失明したりしたケースなど

2級…高次脳機能障害などで随時介護を要する状態になったケースなど

3級…言葉を発語できなくなった場合や食べ物を飲み込めなくなった場合、両手の指をすべて失った場合など

4級…両耳の聴力を完全に失った場合など

5級…麻痺などの神経障害が残って軽易な労働しかできなくなった場合、両足の指が全部なくなった場合など

6級…両眼の視力が0.1以下になってしまった場合や片腕の2つ以上の関節が動かなくなってしまった場合など

7級…神経障害などによって軽易な労働しかできなくなった場合など

8級…片脚の指が全部なくなった場合など

9級…両眼の視力が0.6以下になった場合や片耳が聞こえなくなった場合など

10級…片脚が3センチ以上短くなった場合、片腕の関節が1つ以上動かなくなった場合など

11級…両眼のまぶたを閉じられなくなった場合、片目のまぶたが欠けた場合など

12級…外貌醜状が残った場合、重度のむち打ちのケースなど

13級…片目の視力が0.6以下になった場合、片手の小指が動かなくなった場合など

14級…比較的軽いむち打ちで神経症状が残ったケースなど

このように等級によって細かく症状が分類されているので、後遺障害認定を申請するときには、自分の症状がどの等級のどの認定基準に該当するかを検討する必要があります。

3 後遺障害認定で支払われる慰謝料

交通事故で後遺障害認定を受けると、相手方の保険会社から「後遺障害慰謝料」を払ってもらえます。

後遺障害慰謝料とは、交通事故で後遺障害が残ったことによって被害者が受ける精神的苦痛に対する賠償金です。

後遺障害が残ったら基本的に一生治りませんし、被害者は日常生活でも仕事でも不都合を感じ続けることになって、強い精神的苦痛を受けます。

その苦痛を和らげるために慰謝料が発生するのです。

後遺障害慰謝料の金額は、認定された等級によって大きく変わります。

当然、高い等級の方が慰謝料も高額になります。

4 後遺障害慰謝料の基準

では、後遺障害慰謝料の支払基準は、どのようになっているのでしょうか?

実は、後遺障害慰謝料の算定方法には3種類あります。

1つ目は裁判所や弁護士が使う「弁護士基準(裁判基準)」です。

金額的には、3つの基準の中でもっとも高額になります。

2つ目は自賠責基準です。

自賠責保険が保険金を計算するときに使う基準であり、国土交通省が定めているものです。

金額的には3つの基準の中でもっとも低額になります。

自賠責基準が低いのは、そもそも自賠責保険が「最低限の補償を行うための制度」なので、やむを得ないことです。

3つ目は任意保険会社が独自に作っている自社基準(任意保険基準)です。

金額的には「自賠責基準より少し高い程度」になっていることが多いです。

本来なら任意保険会社は弁護士基準に従って賠償金を払うべきですが、会社の利益を図る必要性などもあり、独自の基準を定めています。

5 弁護士依頼のメリット

⑴ 受け取れる慰謝料が増額する可能性

後遺障害慰謝料の金額は弁護士・裁判基準で計算すると、他の基準よりもアップします。

等級にもよりますが、だいたい2~3倍程度になっています。

そこで、後遺障害が残ったときは、弁護士基準で後遺障害慰謝料を計算しないと損をしてしまいます。

特に、被害者が加害者の保険会社と示談交渉をするときに注意が必要です。

任意保険会社は、被害者本人と示談交渉をするとき「任意保険基準」をあてはめて計算します。

すると弁護士・裁判基準より大幅に減額され、被害者は本来の権利を実現できなくなります。

高額な弁護士・裁判基準を当てはめて主張するためには、弁護士に示談交渉を依頼することをおすすめします。

弁護士が示談交渉を進めるときには、弁護士基準を利用します。

保険会社も、弁護士が対応するときには任意保険基準を主張しないことが多いです。弁護士相手に任意保険基準を主張しても拒絶されることが明らかですし、訴訟を起こされる可能性があるからです。

訴訟になったら裁判所が裁判基準(=弁護士基準)で計算するので、保険会社にとってメリットはありません。

よって、弁護士基準での交渉を受け入れてくれることがほとんどです。

以上より、後遺障害が残ったら弁護士に示談交渉を依頼することにより、後遺障害慰謝料を増額させることができる可能性が高まります。

弁護士費用は発生しますが、ほとんどの場合、その金額は増額された分で賄うことができます。

⑵ 後遺障害認定も受けやすくなる

また、もしまだ後遺障害認定を受けていない場合、弁護士が対応することによって後遺障害が認定される可能性が高まります。

自分で申請すると非該当や低い等級になってしまうケースでも、弁護士のアドバイスの元で申請をすると、より高い等級となり、後遺障害慰謝料や逸失利益が増額される可能性が高まります。

6 後遺障害の申請は弁護士にお任せください

このように、交通事故で後遺障害が残ったとき、弁護士に対応を任せるとより高い賠償金を獲得しやすくなるものです。

弁護士に任せれば、自分で相手の保険会社と示談交渉しなくてよくなるのでストレスも軽減されます。

交通事故で後遺障害の認定請求をする場合や後遺障害認定後に示談交渉をする場合は、弁護士までご相談ください。

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